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「がんばりすぎるあなたへ 完璧主義を健全な習慣に変える方法」を読み終えた

とりあえず、読み終えた。本書は完璧主義で苦しんでいる人に、完璧主義のままで楽になれる方法を教えてくれる本。自分の完璧主義のタイプを分析し、考え方をより健全なものにすることで、完璧主義によくある落とし穴を回避する。

第一章は完璧主義の分類と、自身の分析が主になっている。完璧主義には、自分で高い基準を設定したり、他人の期待に応えたり、理想的な結果を追求するなどのタイプがある。

これ自体は何の問題もない特徴なのだが、これらを守ることが目的になっていると、完璧主義の不健全な部分が顔を出す。たとえば、「高い基準を守らなければいけないが、守れない→何をやってもだめだから何をやるにしても自信が持てない」など。

自分の行動が不健全かどうか、チェックシートを用いて確かめることができる。こうして、自分自身の優れた部分と問題を抱えている部分を確かめることができる。


本書を読んでいてわかるのは、著者が完璧主義(とそれに苦しんでいる人)を否定していないことだ。完璧主義が悪いのではなく、目的を達成するための戦略や方法の効果が薄いのが問題なのだ。長時間がんばるだけだったり、昔うまくいった方法をいつまでも使ったり、正しさのために莫大なコストをかけたりして、結果的に目標を達成していないのなら、もっと効果のある戦略に変えましょうということだ。

第二部からは、効果がある戦略について語られている。たとえば、”やればやるほどいい”という戦略の代わりに、”収穫逓減の利用”をおすすめしている。ある段階から効果が薄れ始めることを”収穫逓減”と呼ぶのだが、一つのことに時間をかけても次第に効果は薄れるので、効果が薄れ始めたら別の箇所の品質を上げるのだ。

たとえば、ソフトウェア開発ではバグのないプログラムがよいとされるのだが、バグを100%取り除くことはできない。これ以上やっても重大なバグがでないと見なした時点で、別の箇所(UIや速度など)に取りかかった方が顧客の満足度は上がるはずだ。


とりあえず読み終えただけなのだが、「完璧主義をやめよう、手放そう、もっと適当に生きよう」という本がほとんどだった中、やめなくてもいいしやめてもいい、苦しいなら戦略を変えればいいという選択肢ができたことがよかった。

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